建物内の空気の質や温度を快適な状態に保つ空調システムの工事を担当しています。現在は、都内の13階建てのオフィスビルの新築現場で現場代理人を務めています。現場代理人というのは、工程（手順や時間）や安全、品質、原価管理など工事全般の責任者。工事中の現場の隅々に気を配るとともに、実際の工事内容を表す施工図、あるいはお客様や設計事務所との打ち合わせ用の資料や安全管理に関する書類作成など、多岐にわたる仕事をこなさなくてはなりません。

実は当社の空調衛生事業は、まだスタートしたばかり。一つ前の現場で代理人デビューを果たした私はまだまだ実力不足ですが、当社の空調衛生設備工事を早く認めてもらえるように、上司や先輩たちの力も借りながら頑張っています。

当社と出会ったのは、ある就活イベントの会社説明会。人事担当者に機械工学系を専攻しているが、自動車や産業機械などのメーカーに就職をしようとは考えていないと話したところ、「じゃあ、うちにピッタリだよ」と言ってもらい、その気になりました。さらに「空調衛生設備の部署ができたばかりで、会社の新しい柱に成長させようと力を入れている」と聞き、自分も新しい部署を大きくしていく一員として働いてみたいと考えるようになりました。

電気設備もそうですが、空調衛生設備は自分の仕事によって初めて建物が使えるようになるというやりがいがあります。また、冷暖房設備、ダクト、配管など、いろいろな設備の専門業者の人たちが関わるため、みんなでつくり上げているのだという一体感も魅力的です。

学生時代から図面を起こすことが苦手で、工事担当者であるにもかかわらず、施工図を起こすことを避けていた時期がありました。先輩からは、折に触れてソフトなプレッシャーがありましたが、それでもやろうとしなかった。ところが、いよいよ一枚目の図面を起こす日がやってきます。現場代理人に近い仕事を任されるようになって、次の会議に図面を出さないと発注元や協力会社に当社の面目が立たないという状況になったのです。なんとか図面を起こし終えた私に、「もう大丈夫だね」と声をかけてくれた先輩の、優しく見守ってくれるような顔は今でもよく覚えています。

そのときに担当した案件である外国政府が管理・運営する文化センターは、図面のこと以外でも印象に残る仕事です。国際的な建築家による意匠性の高い建物だったため、空調設備の設置も困難を極め、一般的な建物にはない工夫が求められました。そうした難しい課題をクリアできたこともあり、竣工の際には一味違う達成感が味わえました。

自分が成長することで、所属している空調衛生設備部を成長させたい。社外の方から、冗談で「東光総合設備工事に社名を変えてもいいんじゃない？」と言ってもらえるくらいに、空調衛生設備の施工実績を揺るぎないものにしたいです。
自分が成長するために必要なのは、先輩、上司、職人さんなど、周囲の方たちとの人脈を大切にすること。振り返ってみると、私ができたことの8割は周りの方のご支援のおかげだと思います。この好運を手放さないように、人からの信頼と期待を裏切らないように、しっかり努力し続けていきます。先日、一つ前に担当した現場の発注元の方から「次も打出さんにお願いしたい」と嬉しい指名をもらうことができました。これからも、一緒に仕事をした方からの良い評価をもっと積み重ねていきたいと思います。